初期ラッシュについて
マルチプレイにおける初期ラッシュの解説ページがないようなので、自分が思いつく範囲でまとめてみました。
常套戦略のほうに書こうと思いましたが、あまりにも長くなってしまったので、新規ページにて。とりあえずBC1000Rについてです。
間違いその他訂正すべき点などが多々あると思いますので、コメント欄にて指摘お願いします。
初期ラッシュをしかける状況
初期ラッシュは一種の賭けです。相手が油断しているか、下手か、よほど立地などの状況に差がなければ、普通は泥沼化します。
何とか相手を滅ぼしたものの、研究が遅れに遅れ、最終戦争は象カタパマスケあたりのユニットで飽和防御ということも珍しくありません。
状況をしっかり見極めましょう。見事に失敗したときは100ターンの泥沼戦争、そして最終戦争の局面では奴隷で国民を虐殺する作業に従事することを覚悟しましょう。
- 複数国でRをかけられる見込みがある
2つ以上の国で1国を攻めれば、ほぼ間違いなく勝つことができます。ただし、組む相手には注意。本気で戦ってくれそうな文明と組みましょう。
組んだつもりの文明が申し訳程度の軍しか出さなかったり、こっそり標的にリークしたり、実際は形式宣戦だったり、などの例は枚挙に暇がないです。
組んだ文明が本気で軍拡していれば、あなたは内政にハンマーを回せるかもしれません。(ただし、相手もそう思っているかもしれません。)
- いずれジリ貧になるのがわかっている立地
やたらと狭い、衛生資源が少なすぎる、雪原だらけで改善のしようがないなど、待てば待つほど他の文明との差が開くのがわかりきっている場合です。
都市の人口と改善に乏しい序盤なら、立地差による国力差は小さくてすみます。潜在国力の差が顕在化してくる前に戦争を仕掛けましょう。
- 互いの首都圏が被っている、首都圏を削る形で都市建設された
これはあなた、もしくは相手が首都を寄せたことを意味します。使えるタイルが削られれば、その分首都の性能が低下します。
削られたタイルに資源や小屋があったのならば、もう選択の余地はほとんどありません。
仮にあなたにやる気がなくても、相手が仕掛けてくる可能性もあります。
どちらにせよ、首都圏が被るほどの近距離に隣国の首都があるのは、いつ何時も油断できない危険な状況です。
首都圏を削る形での都市建設は50ターンを待たずに行なわれた宣戦布告です。実際の戦闘が解禁される50ターンまでに準備を整えましょう。
- 隣国が無防備マン
最近はさすがに少なくなってきていますが、軍備が少ないまま50ターン目に入るプレイヤーもいます。滅ぼせるようなら攻めましょう。隙を見せる相手が悪いのです。以上が初期ラッシュを考えるべき状況でしょう。
他にも立地が良い相手を国力差がつく前に潰す、駄立地で苦しんでいる相手に死の安らぎを与えるというパターンがありえます。50ターンで本当に仕掛けるかどうかは相手次第です。警戒が厳しければ、ひとまず内政に向かい、カタパルトや象が出てから攻めるのも手です。
また、丘上都市は落とすのが大変です。敵国首都が丘上だったり、戦略資源が速やかに切れそうもない場合、初期ラッシュの成功率は激減します。なお、戦略資源を確保しているのに、弓をたくさん作る人をたまに見かけますが、それはあまりオススメできません。弓での侵攻はまず不可能なので、「隣国にRはしないのでぬくってください」と伝えるようなものです。
自ら積極的に攻めるつもりはなくとも、外征できる軍を揃えておいて、いつでも他国のRに便乗できるようにしておきましょう。手薄になった都市を落としたり、改善を荒らせれば金銭が手に入ります。これは初期Rに限らず全ターンを通していえることです。
ちなみに
―初期ラッシュに欲しい資源―
銅鉄馬
戦略資源です。それぞれ斧剣士チャリを作るのに必要です。基本は斧です。剣士を作るとしたらローマUUのプラエトリアンくらいでしょう。純粋チャリRは茨の道です。
一つもないのなら初期Rは諦めましょう。青銅器開発で森林、鉄器開発でジャングルの伐採ができるようになります。
金、銀、宝石
幸福も美味しいですが、それ以上に研究加速が大きいです。戦略資源の迅速な可視化と研究加速は強力です。さっさとカタパを出しましょう。ハンマー出力が下がるのが難点です。
象
序盤の貴重な幸福資源かつ、高出力です。短期で勝負がつかなかったとしても、象兵が出せるようになるまでの辛抱です。
各志向の初期ラッシュへの適正。
初期ラッシュへの適正が高いと思う順番に書いています
向いている志向
- 攻撃志向
初期ラッシュのための志向です。兵舎が安く、生み出される白兵ユニットには、最初から対白兵、対弓兵をつけられます。
- 帝国主義志向
開拓者が割引を受けるということは、そのハンマーを労働者とユニットに注げること、セカンド、サードが早いうちから回り始めるということを意味します。
開拓者加速の恩恵は、単純に割引された分以上のハンマーをもたらしてくれます。
- 創造志向
都市の建て方やマップに作用されます。
敵の前線都市に自分の都市をぶつけて無力化―少なくとも文化施設にハンマーを使わせること―ができます。
モニュメントを立てる必要が無いので、その分ハンマーに回せます。都市建設の際は文化圏が広がること前提で資源を都市圏に入れることができます。
また、放っておいても勝手に都市防御がつく&文化押ししてくれるため、占領した都市の防衛も比較的行ないやすいです。
可もなく不可もなく
- 拡張志向
労働者が割引を受けます。その分のハンマーはユニット生産に回す、あるいは労働者をさらに作って伐採を加速させてもいいでしょう。
穀物庫が一瞬で建つので奴隷乱発でユニットを揃えるならば陶器を早めに取得するのも手です。
- カリスマ志向
あると多少マシ、くらいでしょうか。
幸福ボーナスにより、奴隷制を使いやすくなっています。
初期ラッシュは短期間で都市が落とせるかどうかが鍵なので、カリスマ志向による昇進割引が利いてくる頃には大勢は決しているでしょう。
モニュメントによる幸福ボーナスは忘れていいです。建てる暇などないでしょうから。
- 金融志向
ユニットの生産、という面では役に立ちません。
ただし、研究が進みやすい=鉄器や数学、建築学の開発が早い=ので、間接的にRに貢献することができます。
- 宗教志向
敢えて言うならば、奴隷制導入の際に1ターン遅れることがない、ということでしょうか。
残念な志向
- 防衛志向
役に立ちません。
いかに防衛志向といえど、弓Rは無謀です。防壁は建てる余裕も活躍することもないでしょう。
もしもあなたがこの志向の特性を生かせることができたのならば、逆侵攻されていることを意味します。
- 哲学志向
役に立ちません。
戦後復興には大いに役立つでしょう。
- 勤労志向
役に立ちません。
遺産を作る暇があるならユニットを作りましょう。
- 組織志向
役に立ちません。
戦後、敵都市を占領して増えた維持費が楽になります。戦後は割引された裁判所でスパイでも雇いましょう。
侵攻先の選定
狭い半島に封じ込められた場合などは相手を選ぶ余裕はありませんが、複数国と隣接しているのなら、攻める相手はしっかり考えましょう。
考えるべき要素
- 1.相手の戦力
自分より強い相手に喧嘩を売っても勝てません。複数で攻められるのならともかく、自分より弱い相手を攻めましょう。ぬくっている文明に標的を変えるというのはよくあることです。奴隷制を採用している文明は侵攻中に敵兵がどんどん増えるので注意。
- 2.相手の志向
後述しますが、攻めにくい志向と攻めやすい志向がはっきりとあります。なるべく攻めやすい相手を攻めましょう。
- 3.周辺文明との関係
首都間距離などを見て、複数国Rが期待できるかどうか判断しましょう。
- 4.立地状態
相手の戦略資源はどこにあるのか。これは非常に重要です。迅速に戦略資源は破壊しましょう。弓オンリーにしてしまえば怖くありません。
そのためにも相手の戦略資源がどこにあるのかはあらかじめ確認しておきましょう。
また、敵首都が丘上かどうか、領土の広さも考慮しましょう。
勝利後に占領した都市が使えるかどうかを考えましょう。他国の文化や都市間距離がありすぎて、維持が難しい場合もあります。
攻めにくい志向
- できるだけ避けたい
攻撃志向
対白兵付の斧に都市に篭られるとなかなか落とせません。野戦でも負けてしまいます。象が出れば別ですが。
防衛志向
攻めるのには向きませんが、守るのにはやはり向いています。弓が強いです。防壁も安いので、すぐに都市防御が50%になります。
- やや注意
創造志向
領土が広いため、進撃に時間がかかります。その間に敵ユニットが増えてしまいます。辺境ゴミ都市ですら文化防御がたくさんついてて面倒なことが多いです。
帝国主義
長期戦になるとベホマ兵と英雄弓がどんどん出現します。短期戦でいきたいところですが、たくさんの都市と兵を抱えていることが多く、長引きがちです。
カリスマ志向
長期戦になると敵兵の昇進が凄まじいことになります。敵兵が経験値を得ないように、倒すときは徹底的にかつ短時間で。
また、研究速度が速いことから金融志向は若干攻めにくいかもしれません。
多少手間取ってる間にカタパルトや長弓が出てくるかも―
特に攻めにくい指導者
- シッティング・ブル
対初期ラッシュ用としか思えないUUとUB。斧兵は犬戦士に、チャリは弓にやられてしまいます。
よっぽど相手が無防備でない限り、単独初期ラッシュの成功率は絶望的に低いです。唯一の救いは、逆侵攻されても都市が落とされにくいことでしょうか。
- ハンムラビ大王
攻撃志向&バビロニア弓で白兵も弓も強いです。バビロニア弓のボーナスは対白兵のみなので、チャリ主体のRのほうがやりやすいかもしれません。
- 徳川家康
攻撃防衛志向の彼以上に戦争に向いた指導者はいないでしょう。弓も斧も死角なし。
- マンサムサ
スカーミッシュが鬱陶しいことこのうえないです。
- (鉄のある)ローマ
プラエを相手にするのは大変です。
強力なUU
- インピ
槍の移動力に+1して、機動の昇進をつけたUU。ふざけたことに馬よりも足が早いです。敵地の丘だろうが森だろうが1ターンに2マス移動できます。
そのうえシャカは攻撃志向なので対白兵がつけられます。丘森に篭られたら斧でも処理できません。というか、斧では追いつけません。
機動力を生かした改善荒らしで敵国を疲弊させ、斧主体の主力を投入しましょう。
- ファランクス
アンチユニットが存在しない恐ろしい斧兵?です。槍を作る必要がないため、その分戦力が増えます。
- プラエトリアン
コストは重いものの戦闘力8は強力です。基本戦闘力が高いので、昇進による戦闘力の伸びも大きいです。象さん相手でも頑張れます。奴隷伐採をガンガンつかって量産しましょう。
- 重チャリオット
チャリオットの戦闘力に+1して、先制攻撃耐性をつけたUU。しかもコストはチャリオットと変わりません。
- 不死隊
相手に金属資源がなければ一方的にボコれます。改善を荒らしつつ丘森に篭って機を伺いましょう。
ユニットの生産について
高出力のタイルに市民を配置してください。伐採と奴隷制もガンガン使いましょう。青銅器と数学は早めに取りましょう。
- 伐採について
伐採で得られるハンマーはBts3.13速度迅速では以下の図のようになります(多分)
文化圏外の場合は2/3をかけて端数を切り捨てた値になっています。
数学未取得のときは図の値に2/3をかけて端数を切り捨ててください。
つまり、文化圏外かつ数学未取得の場合、得られるハンマーは最大の4/9以下になります。
- 奴隷制について
速度迅速で奴隷制を使うと人口1単位が即座に20ハンマーと1不幸に変換されます。
斧槍のコストは23です。人口1単位=斧1と考えられます。
奴隷をどう使うかは都市の食糧とハンマー、幸福を考慮して決めましょう。
奴隷制は効率を考えると使えるのは最短でも2ターンに一回でしょう。
stack-style.org ウェブアーカイブページあまり調子に乗って伐採と奴隷制を乱発しているとハンマーがあふれ換金されてしまいます。
もちろんあふれ換金は研究速度を速めることができますが、50ターンでRするのならば、重要なのは研究よりも兵です。
40ターン以降は毎ターン各都市で斧兵が吐き出されるのが理想的です。
参考までに
では、ちょっと実際にやってみましょう。以下、シングル貴族パンゲ小中迅速10人です。
チンギス2都市銅R
もっとも初期ラッシュに向いた指導者かつ、銅での2都市Rです。
森が多かったこともあり、軍隊を非常に揃えやすいです。
50ターンでの状況
タイル割り当てをしくじってあふれ換金させてしまうなど、細かいミスもありましたが、斧22槍2での侵攻準備が完了しています。
じっくり取り組めば、もう少し揃えることができるかもしれません。
ルーズヴェルト3都市鉄R
ルーズヴェルトは初期Rには向いてませんね・・・。3都市鉄資源でのRです。
51ターンでの状況
ユニットの移動に手間取って遅れましたが、一応51ターンに斧17槍1のスタックでの侵攻準備完了です。
初期ラッシュされるかどうか判断する。
初期Rをされる側についても軽く触れておきます。
50ターンを迎える前に
文化や地形によっては隣国の前線都市が見えます。前線都市に弓が何体もいる文明なら、初期ラッシュはまずありえません。ひとまず安心といったところです。
定期的に斧が吐き出され、奴隷制を乱発している都市がある場合は警戒しましょう。作られた軍事ユニットが見えない位置に行くようなら、その文明はユニットを隠そうとしているのかもしれません。
奴隷制なしで初期ラッシュをかけるのは難しいです。森が多い地形かハンマーに恵まれた地形でなければ厳しいです。裏を返せば、奴隷制を導入せずに揃えられるユニットはたかが知れているということです。
奴隷制はスコアが減るのでわかります。隣国のスコアはこまめに確認し、奴隷制をどの程度使っているかチェックしましょう。
また、最大のライバルのエネルギーに注意しましょう。
序盤のエネルギー評価
以下は初期ラッシュに関係するエネルギー評価です。
戦士 | 1000 |
弓兵 槍兵 狩猟 採鉱 畜産 防壁 | 2000 |
兵舎 斧兵 | 3000 |
車輪 | 4000 |
弓術 数学 | 6000 |
青銅器 | 8000 |
鉄器 | 10000 |
50Tの時点なら技術的には少なくとも狩猟採鉱畜産車輪青銅器=18000 それに(弓術 数学 =それぞれ6000)+(鉄器=10000)でしょう。
施設的には兵舎×2~4=6000~12000+防壁×0~4=0~8000くらいでしょう。 残りのエネルギーはユニット由来となります。
2都市銅Rで斧16槍2なら
戦士×1=1000+斧×16=48000+槍×2=4000+兵舎×2=6000+狩猟採鉱畜産車輪青銅器数学=24000で全てを足すと83000です。
3都市鉄Rで斧13槍1なら
戦士×1=1000+斧×13=39000+槍×1=2000+兵舎×3=9000+狩猟採鉱畜産車輪数学青銅器鉄器=34000で全てを足すと85000です。
諜報でグラフそのものは隠せても、トップのエネルギー評価は隠せません。初期ラッシュを試みようとしている文明があるかどうかは非常に簡単に見極めがつきます。ターン数とエネルギーのバランス、増加していくペースを見れば一目瞭然です。
あとは隣国の状況と資源、諜報の割り振り、都市生産などを見極め、Rを狙っている国が隣国なのかどうか考えましょう。
他にも、初期の斥候が国境に張り付いて、あなたの都市の様子を伺っているならば危険です。
とりあえずココまで・・・。つ、疲れた・・・。
戦後復興やユニット運用についてはより詳しい方にお任せします・・・。